芽吹く前に
そんな事を考え、気づかぬうちにニヤニヤしているとメガネ君が話しかけてきた。
「マコト君、何ニヤニヤしてんの?」
あぁ、なんだメガネ君か・・・
「あぁっ!?なんか文句あんのかっ?」
なんか、馬鹿にされた気がして、威嚇しなければと、いつもの悪い癖が出てしまうのだった。
「別にそうじゃないけど・・・」
そういうと、メガネ君は持ち場に帰ってしまった。
あんな、言い方無いなと思いつつ、どうでもいいやという気持ちでその気持ちをかき消した。
(よし、こんなもんだろ・・・)
(すげぇ、ピカピカ。使用禁止の札でも立てようかな?)
そんな事を考えていたら同じ班のガタイの良い女の子が近づいてきた。
「マコト君っ!!」
(おぉ〜すげぇ元気な姉ちゃんだな・・・)
「何っ・・・?」
「私っ、班長だからよろしくねっ!!」
「あぁ・・・よろしくぅ・・・掃除もう終わってもいい?」
「うんっ!!教室に戻っていいよっ!!」
教室に戻るとみんな集まり教室はガヤガヤ言っていた。
(いつも、この雰囲気だったらいいのにな・・・)
明日の連絡事項を担任が伝え、何やら合唱の時間である。
(合唱とか、知らない曲だし、何で女子って歌が好きなんだろ?)
(ケンタッキーも歌ってるし・・・)
(あの硬派なケンタッキーが・・・)
(やばいウケる・・・)
ケンタがまじめにやるようには思えなかったので、その姿が一層面白く見えてしまった。
帰りの会も終わり、ケンタのそばに駆け寄った。
「ケンタッキ〜合唱すごいね、僕、見なおしたよっ!!」
「マコト馬鹿にしてんだろ・・・?」
(ケンタ、真面目に怒りそうだ・・・)
「嘘だよ、俺も早く覚えてみんなの一員になりてぇー」
「嘘こけっ」
「嘘だけどね。」