傷、のちに愛
“研究室で待ってる”
私は息を飲んだ。
絵美は興奮した口調で私を促す。
「和葉、早く行ってきな!」
「え、でも……」
今から授業なのに、そう言おうとしたら絵美の勢いに遮られた。
「チャンス逃しちゃだめだよ!行きたいんでしょう?こっちは心配しないで行ってきな!」
行きたいんでしょう?
…私は頷き、席を立った。
そのまま研究室に向かって走った。
会ってどうするとか、全く考えていない。
ただ会いたくて。
あの低い声を聞きたくて、無我夢中だった。
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