傷、のちに愛



―――部屋に入った瞬間、私は強い力で引っ張られ、ソファに倒れた。

私の下には千秋さんがいて、まるで私が押し倒したような格好になりながら、私は彼を見下ろしていた。

「和葉。さっきの、本当?」

さっきの……告白のことをさしているのだろうか。

私は首を縦に動かし、顔を熱くする。

「うん。私、千秋さんが――」

「俺も」

私の言葉を遮るように、千秋さんは言った。

「和葉が好き。…今すぐ丸ごと愛してやりたいくらい」

そう言い、私を引き寄せ抱きしめた。

どっちの音かわからない心臓の音が耳に響いて、私はとろけてしまいそうだった。



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