爽やか王子と内気少女
「新垣と居ると…ぐっと胸が暖かくなる…
新垣と話すと、気持ちが安らぐのと同時に、もっと新垣を知りたい…近づきたいって欲が出てくる」
欲……そんなの私もだよ。私だって都合の良い解釈をしようとして、永井君が私と同じ想いだったらと考える。
でも、私と永井君は不釣り合い……その一歩が私を止める…
突然…
「ガラガラ」と音がしたと思うと、図書室のドアがスライドで開いた。
「パッ」と私の腕を掴んでた永井君の手が離れる。
「香ちゃん?」
ドアから顔を覗かせたのは、梨華ちゃんだった。