爽やか王子と内気少女



私の説明を聞いて、梨華ちゃんはニコッと微笑み、「そっか~」とホッとして息を吐くように呟いた。



それから何か考えると「あっ!」と声を上げた。



蕾から一気に花が開いた様なその表情に、「やっぱり梨華ちゃんは可愛いな」と思う。



わざとだったり、計算じゃなく、自然と出てくる仕種と表情。

純粋に出てくる物だから、憎めないし逆に可愛らしいと思わせる。



「私も手伝うよ!」


梨華ちゃんの言葉に、永井君の身体がピクッと動いた。


こんなに可愛い子といれるチャンスなんて喜ばない男子は居ないんじゃないかな。



永井君も梨華ちゃんといれるのが嬉しいと思う。





私は…、



私は、何だかモヤモヤして、協力すると言ったはずなのに、今まで二人だった空間に梨華ちゃんが入るのを喜べないでいた。


 
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