爽やか王子と内気少女
「じゃあ、どこか寄ってストラップ探そ~」
一人がそう言うと皆靴を履いた。
佐々木も渋々下駄箱から靴を出した。
「ごめん、俺用事あったわ!」
俺の言葉に皆、文句を言ってた。
「先帰ってて!埋め合わせは今度する!」
皆に理由を聞かれる前に、俺は逆方向を向いて走った。
昼休みには見たから、多分佐々木のお守りは校舎内に落ちてると思う。
なら今日中の方が見つかると思うんだ。
廊下の床を隅々まで見るようにしながら、3階の1年の教室が並ぶところまで戻る。
3階に着くと、放課後とあってチラホラ生徒が居るくらいだ。
ふっと少し離れた場所を歩いてた女子2人が立ち止まった。
あそこはうちのクラスの前だ。
「お守り?」
1人が床を見て言う。
「何か古くて汚い…ほっておけば?」
もう一人の派手な感じの子がハッキリと言うが、その子はお守りを手にした。