爽やか王子と内気少女
「じゃあ、朗読する人ですけど、立候補する人居ますか?」
さっきまでざわついてたのが急に静かになる。
校内放送なんて皆に聞こえるし緊張もするから、進んでやろうと思う人はいないようだ。
「あの~」
隣から声がして横を向くと、
弥生ちゃんが右手を上げていた。
「立候補じゃないんですが、推薦したい子がいるんです…」
皆が弥生ちゃんを振り返って見ていた。
「推薦?誰をですか?」
委員長が弥生ちゃんに答えると、弥生ちゃんは上げていた手を下ろして、
そのまま私の肩へ手を置いた。
「新垣さんです」
「えっ!?」
皆が弥生ちゃんから私へ目線をずらした。
恥ずかしい……