爽やか王子と内気少女
「新垣さんは、聞き取りやすい声だし、先生に褒められるくらい朗読が上手いんです。
せっかく放送するなら、耳を傾けて欲しいし、新垣さんなら適任かと…」
やっ弥生ちゃん…………
なんて事を言い出すんだ!
私は弥生へ訴えるように見つめた。
弥生ちゃんはそれに気づくと、
「自信持ちたいんでしょ?」
と……
なんだか、信用してた飼い主に野生へ帰らされた動物の気分…
「でも、これがどう結び付くの?私、朗読なんて…」
「あんたの朗読は聞きやすいよ。自信持たすなら体でわからせるのも手かなと思ってさ…」
少し強引だけど、弥生ちゃんは弥生ちゃんで考えてくれたらしい。