爽やか王子と内気少女
今まで、自分の取り柄なんて無いと思った。
人より目立つものや勝るものがある人が羨ましかった。
「何が得意?」
と聞かれても、私には答えられなかった。
もしこれが才能なら、
私は笑顔で得意なものを答えられる。
人が認めてくれてるもの……
少しでも伸ばしていきたい。
そうすればきっと、自信を持てて胸を張れるから。
「私、本当に朗読くらいしかできないけど、入部しても良いかな?」
私が恐る恐る言えば、江角君や見守ってた後輩達が笑顔になった。
「もちろんです!
ようこそ、放送部へ!!」