氷菓少年は天然少女にかなわない
「テスト?大丈夫大丈夫、俺もうテストあきらめてるもんね!」

「……佐助、黒宮がそれ聞いたらまた嘆くぞ」



からっとした笑顔で言う佐助と呆れ顔の俊哉。



春夜も突っ伏して寝ている。



そんな中奇妙な沈黙が流れる二人。



「……」

「……」



気まずいとかそんな雰囲気ではないが、梨久はともかく、何故か笑佳までもが無言である。



「……」



俊哉も何故かそれっきり喋らなくなり、変わらないのは佐助だけ。



そんな微妙な雰囲気の中、勢いよく戸が開く。



< 56 / 73 >

この作品をシェア

pagetop