乱華~羽をくれた君~【完】
時計の針は、夜の8時を回っていた。
〜♪♪
栞の携帯が鳴った。
片手にマスカラを持ちながら、器用に会話している。
「・・・奈緒〜
亮も陸さんも仕事終わったみたいだからもうこっちこれるって言ってんだけどー。そろそろ行けるぅ??」
「あ、うん!」
あたしは慣れないメイクに時間がかかっていた。
なんとか終わらせ、メイク道具を急いでポーチに突っ込む。
栞は玄関の下駄箱を開け、キラキラ光る色とりどりのサンダルや、パンプスを選んでいた。
「え!これ全部栞の??!」
「・・ううん、ババァの。」
目を輝かせるあたしに、少しためらった口調で話す栞。
聞いちゃまずかったかなと思ったけど、すぐに栞は笑顔を見せて言った。
「うちのババァさ、夜はスナックで働いてんだ!
だからこういうサンダルとかいっぱい持ってんの。
自由に履いていいよッババァのだけどさ・・」
そう言って、あたしのワンピに合うような黒のサンダルを出してくれた。
「・・・いいの?」
あたしは遠慮がちに聞くと、栞は笑顔で頷いた。