永遠の星空
茉莉の会社は、毎月1回、親睦会という名の飲み会がある。

茉莉も毎回参加していた。


いつもは、たしなむ程度しか飲まないマリだったが、

今回は上司に飲まされ、少し酔っていた。



   ほろ酔いって、気持ちいいー


心地よい風にも誘われて、少し酔いをさまそうと、

会社近くの海浜公園を散歩することにした。




どのくらい歩いただろうか。




ふと、遠くの方から、心に引っかかる歌声が耳に届いた。

茉莉は気になって、その声の方へ向かった。。。


歌声の主は、ブランコに腰掛け、足を投げ出し、うなだれていた。

茉莉には、この男は自暴自棄になっているように思えた。

背を向けて座っている。

茉莉にはその男の表情はわからなかった。 



  あえて見ないようにした。




誰も座っていない、男の隣りのブランコに腰掛け、

茉莉はその男の歌声をじっと聴いていた。




  悲しくて、さみしくて、でも、私の心は揺さぶられている。
           なんだんだろう、この気持ち・・・



何曲歌っていたのだろう。



その男は人の気配にを感じて顔を上げ、

隣のブランコに座っていた茉莉を見た。

その男の目は、

まるで親にすがる仔猫のようだった。


茉莉は、その目に吸い込まれていった。

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