未来観測
結局学校に着いた後、あたしは部員たちの冷やかし声を後に、林先生の車に乗せてもらうことにした


部員の中で唯一寛人だけはあたしを責めるような目で見ていて
だけどこんなことで怒るなら、自分はどうなるんだとあたしが彼を責めたい気持ちでいっぱいだった


これだからどっちが年上でどっちが年下なのか分からないなんて言われるんだろうな、なんて思うけど
あたしにだって譲れないことはある



「本当にすいません。
こんな遠いところまで送っていただいて」


「いえいえ。
お大事になさってくださいね。先生、最近お疲れみたいですし」


「え?」


「いや・・・何ていうか。
俺の方がちょっとだけですけど先輩なんで。
何かあったら何でも相談してください」


「・・・林先生」


「それじゃぁ、また明日。
今日はゆっくり休んでくださいね」



車のヘッドライトがどんどん遠くにかすんでいく

彼はきっとあたしが教師になって少ししか経ってないから、ちょっと疲れたんだろうな。なんて思っているのかもしれない


何だか心の中に
後味の悪い罪悪感が募った


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