EMERALD
「そうだなぁ・・・。シェイクスピアやゲーテを、日本人が素晴らしいと言うのと、同じじゃないか?芸術や文学は、国や言葉で語るものじゃないからね」
「そうね・・・。愚問だったみたい。ごめんなさい」
「いや、いいよ」
世羅は本へと視線を戻し、パラパラとめくっていく
「セーラは、この作品をどう思う?」
「・・・・・・あまり、好きではないわ」
苦笑いをする世羅に、レオナードは不思議そうな顔をする
「人間を生々しく描きすぎているから。エゴイズムが、私には合わなかったみたい」