EMERALD


「そうだなぁ・・・。シェイクスピアやゲーテを、日本人が素晴らしいと言うのと、同じじゃないか?芸術や文学は、国や言葉で語るものじゃないからね」

「そうね・・・。愚問だったみたい。ごめんなさい」

「いや、いいよ」


世羅は本へと視線を戻し、パラパラとめくっていく


「セーラは、この作品をどう思う?」

「・・・・・・あまり、好きではないわ」


苦笑いをする世羅に、レオナードは不思議そうな顔をする


「人間を生々しく描きすぎているから。エゴイズムが、私には合わなかったみたい」


< 147 / 627 >

この作品をシェア

pagetop