EMERALD


普段の自分なら、こんな馬鹿みたいなこと言わない


「・・・・・・ごめんなさい」

「・・・いいよ。送ろうか?」

「大丈夫よ。ありがとう」


弱々しく微笑んで、世羅はレオナードの手から離れた


「さよなら・・・」


早足に、世羅は階段をかけ降りていく


《僕も帰ろう。あ・・・、本》


思い出して、レオナードは机を振り返る

机には、レオナードが借りる本と、世羅が残した数冊の本


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