EMERALD
ソファーに座り、向かいのレオナードを見ないようにうつむいたまま
世羅は黒いコーヒーを見下ろして、映る自分の顔を見ていた
「急に来てしまったから、怒ってる?」
レオナードの気遣う言葉に、世羅が顔を上げる
「そんなことは・・・。ちょっと、驚いたけど・・・」
カップを握りしめて、世羅は視線を泳がせる
「・・・僕のこと、嫌いになった?」
「え・・・?」
「自惚れかもしれないけど、嫌われてはいなかったと思うんだ」