EMERALD


ゆっくり開かれた瞳に映る、黒髪の美しい少女

寝ぼけていた頭が、瞬時にはっきりする

夢だと思った

目が覚めて、彼女が傍にいる

夢だと思った


《・・・・・・セーラ・・・》


呟いて、レオナードは微笑む

あと数時間

もしくは数分

それだけが、彼女といられるタイムリミット


他にも、いろいろできたのかもしれない

食事したり、映画を見たり、遊園地

けれど、それよりも彼女の温もりを忘れないように、身に刻んでおきたい


< 485 / 627 >

この作品をシェア

pagetop