EMERALD
ゆっくり開かれた瞳に映る、黒髪の美しい少女
寝ぼけていた頭が、瞬時にはっきりする
夢だと思った
目が覚めて、彼女が傍にいる
夢だと思った
《・・・・・・セーラ・・・》
呟いて、レオナードは微笑む
あと数時間
もしくは数分
それだけが、彼女といられるタイムリミット
他にも、いろいろできたのかもしれない
食事したり、映画を見たり、遊園地
けれど、それよりも彼女の温もりを忘れないように、身に刻んでおきたい