Morning moon
夜が明けて、クローゼットの奥から沙欄が帰ってきた。

「おはよう奏美。」

なかなか寝付けなかった奏美の寝顔にそっとキスをして起こしてあげた。

「ん……?ん!?」

目を開けると、目の前には愛しい人の顔。

「ヤダ…恥ずかしいよ。」

「今更寝顔見られて恥ずかしいってことはないだろう?」

「でも…。」

「さあ準備して、お父さんとお母さんにも薬を飲ませてこなくちゃ。」

沙欄が一足先にリビングに下りて行った。

奏美が後から行くと、錠剤を溶かした液体がコップに用意されていた。

薄緑色の緑茶ソーダみたいな色だ。
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