私立!皇奏大学探偵サークル事件簿2―君の呼ぶ声―
好き?
どうだろうか。
答えはずっと曖昧にしたまま。
私は伶には必要以上に近付かない。
伶も必要以上に近付かない。
なんだかんだ言ってもお互いにがお互いに少し甘い。
そんな伶と私。
好きかと言われればそうなのかもしれない。
私は那智ちゃんを見てほほ笑んだ。
「答えは、まだ、わからないんです。」
そう素直に言う。
那智ちゃんはそんな私を、黙って抱き締めた。
今はこのままでいい。
かまわない。
つかずはなれず。
私達は伶が不審な目でこちらを見て得意の皮肉を言われるまで、そうしていた。