ひと夏の経験
夏ももうすぐ終わってしまう。
気がつけば、楽しい毎日が去っていた。
「ただいま」
お母さんが仕事から帰ってくる。
「おかえり」
「一輝くんに言い知らせよ」
「ん?」
お母さんうれしそう。
なんだろう。
「せっちゃんの体がよくなって来たって!あと一週間もすれば退院できるだろうって」
「ほんとに?」
「うん」
「一輝、良かったね」
「おう!!」
一輝のお母さんの体がよくなっている。
それは一輝との別れを表していた。