ひと夏の経験
「早く帰るよ~」
と放課後愛菜が言った。
「わかってるよ~」
ミニテストをカバンに入れて、愛菜のもとに向かう。
「あのさ、愛菜がやっとこうか?」
ん?
「なにが?」
「ミニテスト」
まぁぁじいぃぃでえええぇ!!!
「ほんとに?…でも」
「でも?」
「字でバレるんだよね。あのクソ親父、人の字は異常に見てるから」
「ほんとにクソ親父はクソ親父でクソ親父だね」
「うん…クソ親父」
何回クソ親父言ってんだ。私たちは…