深海から見える灯【完全版】

27歳

あたしは急いで携帯を鳴らした。

「もしもし?」

相手が出るとあたし勢いよく言った。

「ユッコちゃん?あたし!どうしよう!!見つけちゃったの。すごい人」

「え?何?どうしたの?」



あっという間にあたしは27歳になった。

今の会社は人生2個目の会社。

初めて同期の友達が出来た、それが「ユッコちゃん」。
あたしより年上なんだけど、見た目もあたしより若くて可愛くて、それでいてとっても深い人。
社会人のあたしの「親友」。

ユッコちゃんはちょっと変わっていて、「白衣の男性が好き」とか言ったり、真逆だけど、気が合うし、音楽の趣味も似ていて2人でライブに行ったりしている。


その日は、あたしがCDをジャケ買いして、結構気に入ってるバンドのDVDを初めて見ていた。


声と音楽が好きなんだけど・・・PVが変。

「うわ、何だコレ。あたしキライな感じ」

バンドのHPを会社で2人で見ていてあたしはガッカリしていた。

「そう?あたし結構好きー」

ユッコちゃんはそう言ってたけど、あたしは受け付けないなーと思っていた。
でも、ライブのDVDはあたしが結構好きな曲が多く入ってるから何となく買ってみた。

その何となく買ったDVDを今日見ていた。


ライブの映像を見ていて、楽しそうかもと思っていた。最初は。

でも、そのギターボーカルがMCで喋ったのを見てあたしはビックリした。
それで、慌ててユッコちゃんに電話をかけた。


「今、DVD見てたの。買ったヤツ」

「あー、うん。どうだった?楽しそう?」

「あのね、違うの!!」

ユッコちゃんはあたしが何を言ってるのかよくわからないみたいだ。

そりゃそうだ。あたし自身だってよくわからない。


「この人すごいの。青いの!!すっごく青いの」

「青い?」

「あたしこんな人初めて見た!あたしこの人に会いたい!!」



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