深海から見える灯【完全版】
「うーん、何でだろうね。うららには知ってもらいたかったってだけかな?」


あたしとヨシコって小学校から変な関係だと思う。

小1で同じクラスになって、出席番号が並んでいたから友達になった。
小学生なのに妙に大人びたヨシコはリーダー的存在だったし、みんなの信頼も厚かった。
でも、小学生なのに子供らしくない子供だったと思う。
みんなが鬼ごっこをしていても、1人で大人っぽい本を読むようなタイプ。


中学生になっても、それはたいして変わらなく、ちょっとヤンキーかな?って感じにはなったけど吹奏楽部の部長をしていたり、ヤンキーなんだけどマジメみたいな変わった子だった。


そのヨシコが何を思ってか、あたしを気に入っていたみたいで、あたしにだけ内緒な話や自分の話をこっそりするところがあった。


ヨシコが中学時代、密かに若葉を好きだった事も、想いを伝えなかった事も知っているのはあたしだけだった。


「旦那さんになる人ってどんな人?」

あたしが聞くとヨシコは笑った。


「普通の人。バーの店長さん、雇われだけど。でもね、音楽が好きなの。あたしと一緒の趣味。ジャズとか2人で演奏したりするんだよ。彼、ピアノもドラムもトランペットを出来る人だから」

ヨシコは吹奏楽部の時、トランペットだった気がする。
エレクトーンも弾けて、小学校から作曲をしていた。ドラムも叩けたはず。


「そっかー。ビックリしたけど、声が幸せそうだから安心した。おめでとう」


「いつか、うららもわかると思うよ。子供が出来たら、守れるのって自分しかいないって。旦那もいるけど、お腹の中にいる時はあたしだけしか守れないから。強くなるよ、それですごく愛しくなる」


母性か・・・。

そうだよね、お母さんって強いもんね。怒るけど守ってくれるよね。


あたしの友達結婚第1号はヨシコ。17歳ってまだまだ子供だけど、幸せになってほしい。
そう心から願った。

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