深海から見える灯【完全版】
「何度も繰り返す・・・、わかるよ。その気持ち。それ言ったのオレじゃん」

笑いながらサトは行った。
あたしは真っ赤になって窓から外を見た。


「あのさ」

サトの言葉にあたしは「え?」と聞き返した。

「うーちんって今日、帰らないとダメなの?」

「ん?今日帰るって何?」

「友達の家泊まるとか出来る?」

「・・・出来るけど、何で?」

信号がちょうど赤になった。
サトはこっちを見た。

「浮気しない?」

「は?」

サトはニコっと笑って「どこのホテルにしようかなー」と言った。





結構郊外にある最近出来たばかりのラブホテルにあたし達はいた。

(何でこんな事になってるんだろ・・・?)

ベッドに腰をかけていると、バスルームにいたサトがバスタオルを投げてきた。

「先入っていいよ」

どうやらバスタブにお湯をはってくれたみたいだ。


さすがラブホテルといわんばかりの大きなお風呂は泡風呂になっていた。

あたしは湯船につかりながら泡を掴んでは潰したりした。

(どうしよう・・・)

サトとそんな関係になるなんて・・・。
あたしの頭の中は「浮気をする」ってより、不変だと思っているサトと身体の関係を持つ事への緊張しか頭になかった。


お風呂から出ると、サトはベッドに横になりながらテレビのチャンネルを変えていた。

「寒いAV入ってたわ」

あたしを見て笑って。

「スッピン、初めて見たけど、童顔だね。子供みたい」

立ち上がってあたしのおでこにキスをすると「オレも風呂入ろう」と言って、バスルームに入って行った。
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