Black★Joker【完結】
その時、二階の部屋のカーテンがかすかに揺れた。
おっ、やっぱあいつ家にいるんだ。
「おーい、降りてこいよー!!」
「やめなさい!!ご近所の迷惑になるでしょ?!」
叫び続ける俺に、血相を変えたおばさんが目を吊り上げて怒鳴りつける。
「じゃあ、あいつ連れてきてよ?そしたらすぐ帰るから」
すると、突然玄関の扉が開きメソ男がゆっくりとした足取りでこっちに歩いてきた。
「優……あなたは家にいなさい?ねっ?お母さんが何とかするから」
「いいんだ。すぐに戻るから、母さん先に戻ってて?」
「でも……」
「頼むから」
真剣な表情のメソ男に負けたおばさんは、俺を睨み付けて家の中に姿を消した。