Black★Joker【完結】
「出てくんの遅ぇよ。つーか、ママのいいなりになってんじゃねぇよ」
メソ男の肩をいつものようにバンッと叩いても、メソ男は何の反応も示さない。
「おい、どうしたんだよ?」
俯くメソ男の顔を覗きこもうとした瞬間、メソ男は消え入りそうなほど小さな声で呟いた。
「もう僕に関わらないで」
「何で?」
「僕に関わると龍馬が嫌な思いをすることになるから」
「お前、さっきの見てたわけ?あんなの別に何とも思ってねぇよ。だから気にすんな……――」
さっきおばさんに怒鳴られて嫌な思いをしたけど、あんなのどうってことない。
メソ男の肩に置こうとして伸ばした手を、メソ男はパシっと振り払う。
「本当は龍馬と一緒にいるのが嫌だったんだ。母さんにも相談した」
「へぇ……俺と一緒にいるのが嫌だったわけ。それで?」
「もう龍馬の顔も見たくない」
歯を食いしばって顔を歪めるメソ男。