Black★Joker【完結】
結局折れたのは龍馬の方だった。
「はいはい、俺の負けですよ。涼子ちゃん、すげぇ頑固者だわ。俺以上だね」
「別に頑固者じゃ……」
龍馬に勝った涼子は少しだけ恥ずかしそうに頬を赤らめて俯く。
さっき素をさらけだしちゃったんだから、今頃恥ずかしがっても遅いよ。
あたしは心の中で突っ込んだ。
「そういえばさ、涼子ちゃんって彼氏いんの?」
「え……?いませんけど……」
「俺の友達に気の強い女の子が好きな奴がいてさー。今度紹介させてよ?」
龍馬の言葉に、涼子の顔色が変わった。
「やっぱり、あたし帰るの辞めようかな?」
涼子は再び椅子に座り、ニコッと龍馬に微笑みかける。
「なんなら、今呼ぼうか?」
「今……ですか?化粧直ししなきゃ!!っていうか、お友達って龍馬さんと同い年ですか?」
「うん、タメ。背も高いし、顔もカッコいいよ?」
「えー!!どうしよう!!髪の毛巻いてくれば良かったぁ……」
さっきまで恥ずかしがっていたのが嘘のよう。
涼子はポーチを手に慌てて化粧室に飛び込んだ。