Black★Joker【完結】
「高校入って一回目がパチンコで、二回目が喧嘩で三回目も喧嘩で四回目は……なんだっけ?ありすぎてもう忘れた」
「お兄ちゃんって……気性が荒いの?」
「そうでもないんじゃね?いつもは普通だし。でも怒ると半端ない」
「どういうこと?」
「昔この部屋で兄ちゃんと大喧嘩になったことがあってさ。俺、この部屋の窓から蹴り落とされたし」
「……――えぇ?!」
龍馬の言葉があまりに衝撃的すぎてあたしは目を見開いた。
「あの時は、木の枝に助けられたけど」
龍馬はテーブルの上にあった灰皿を手に取ると、煙草をそこにグリグリと押し付けた。
「まぁ、そんなことを平気やらかしちゃう兄ちゃんだから、弟の俺としてはちょっと心配でさ」
「……そっか……」
『あのさ……兄ちゃん……――』
さっき龍馬はお兄ちゃんに何かを言いかけていた。
何を言おうとしたのかは分からないけど、龍馬はお兄ちゃんの心配をしていたようだ。
兄弟のいないあたしにとって、龍馬とお兄ちゃんの関係はちょっぴり羨ましかった。