Black★Joker【完結】
すると、川上くんはポケットの中から取り出した煙草を僕に向けた。
「吸うか?」
「ううん、僕はいいよ」
首を横に振ると、川上くんは取り出した煙草をポケットの中に押し込んだ。
「禁煙でもすっかな」
「え?どうして?」
「そろそろまっとうに生きてみるかって思っただけ」
僕より一つ年上の17歳がまっとうに生きてみるなんて言葉を口にするとは……。
苦笑いを浮かべながら「いいんじゃない?」と呟くと、川上くんはハッと何かを思い出したのかパッと顔を上げた。
「ヤベェ、今日駅前のパチ屋イベントしてるじゃねぇか!!」
「さっきまっとうに生きるって言ってなかった?」
「それとこれとは話が別だ!!神谷も誘って3人で行こうぜ?」
「龍馬はこないって。今は美空と一緒にいるんだから」
「あー……そっか。クソっ。それなら仕方ない。優、一緒に行こうぜ?」
川上くんは僕の背中をバチンっと叩いて「走れ」と一方的に命令してきた。