Black★Joker【完結】
「僕は今から学校に行くよ」
「ハァ?俺とお前はもうダチなんだろ?だったらついてこいよ」
「……しょうがないなぁ……」
口ではそう言ってみたものの、本当はパチンコ屋に少しだけ興味があった。
パチンコの打ち方なんて学校じゃ絶対に教えてくれない。
……行ってみようかな。
「今日だけだよ?」
「よし、決まりだ!!いくぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!!僕ギプスして……」
腕を気にしながら川上くんの背中を追いかける。
風を切って走るのが気持ちいい。
龍馬のバイクに乗せてもらった時に感じた爽快感に似ている。
あぁ……。そうか。友達がいるからか。
ようやく気付いたよ。
僕はずっと友達が欲しかったんだ。
少し前の自分にはもう二度と戻りたくない。
新たな一歩を踏み出した僕に待っていたのは、眩しいほどキラキラと輝く世界だった。
「川上くん、ちょっと待って!!早いよ!!」
額にかいた汗を拭いながら大声で叫ぶ。
「……――早く来いよ!!」
「待ってってば!!」
すぐにメソメソ泣く、弱虫の僕におさらばだ。
ブラックジョーカーか……。
僕はおどけ者にはなれない。だけど、ブラックにはなれる。
何色にも染まらない黒。
自分の信じた道を歩いていこう。
僕は心の中でポツリと呟いた。