君が嫌いな君が好き













水を飲みほし、悠斗に連れられ部屋へと戻ってきた。


悠斗は、優しくベッドへ捺をおろした。








『ん、、』

「大丈夫か?」

『…大丈夫』

「無理するなよ?」

『…分かってる』








いつもより男口調な悠斗に、捺はなんだか頼もしく感じた。








『…(…なんか、カッコイイ…の、かも…)』

「なっちゃん、なっちゃん」

『…?』

「一緒に寝ていーい?vV」

『死ね(前言撤回いつもの悠斗だ)』

「照れない、照れないvV」

『照れてない』








捺は、布団に潜る。
そして、悠斗のいない方を向いた。








「あれれ〜?
なっちゃん、どうしたのー?」

『…』

「…」








返事をしない捺に、悠斗はニヤリと笑いドアへと向かいドアを開け、パタリと閉めた。

すると捺は、慌てたように起き上がった。








ガバッ!!








『っゆ、…』








悠斗が部屋から出て行ってしまったと思い、慌ててドアの方を見る。








『…へ、?』








見ると、ドアに背を預けニッコリ微笑む悠斗がいた。


―悠斗は、ドアを開けてまた閉めただけで、部屋から出て行ったわけではないのだ。









「なっちゃんvV」

















(捺が可愛くて少し意地悪したくなった)





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