Stylus
閣下『では内容を精査するために、君に1週間の時間をあげよう。この間に君は今までの自分の人生を振り返り、今後の人生目標を立てる必要がある。この目標は段階的でなければならいし、同時に人生の目的である理想の彼女を手に入れることとすり合わせもまた必要だ。わかるかな?』
と閣下は今まで見せたことのない優しい笑顔を見せた。


やすし『ありがとうございます。自分なりに考えたいことが沢山あります!時間を頂き精一杯考えさせて有意義なる一週間にさせて頂きます。本日はありがとうございました。』
俺は出来るだけ、できるだけ無難な発言をした。


閣下『ふむ。プレッシャーは人を成長させるというが、君は今日この短い時間に素晴らしく成長した。わかるかな?もう既に成長し、入会しているのと同じだ。それはつまり自分自身の人生目標に対して既に歩き出したようなものだ。そんな君に、ひとつ質問をしたい。』


やすし『な、何ですか?』
俺はパニックになりそうだった。今まで恐怖というプレッシャーが実は俺のために造られた演出であるかのようかの展開。謎だ。


人間は正体不明のもの、未知のものに不安、恐怖を感じる・・・


まさに俺は未知との遭遇だった。恐怖に駆られても当たり前だった。


閣下『ふむ。では、聞こう。君の理想の彼女とは、阿墨遊輝那で間違いないのかな?』
と、今まで誰にも言えなかったこと、俺がユキナさんのような雲の上の方に対して恋心を抱くという愚行、それを閣下はさらりと言ってのけた。


やすし『・・・』
俺は何も言えずただただ、黙っていた。


閣下『ふふふ。何も言わない、いや、言えないのは沈黙のイエスと取ろうか。そうか。やはりな。』
と意味ありげな表情をしてニヤリと笑った。


やすし『い、いえ。滅相もないです。自分には・・・』
と俺が最後まで言う前に閣下は話だした。


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