イジワル王子に恋して
「ははっ。やっぱりね。」

みっこは鼻で笑いながら体を前に伸ばす。


「何よぅ…やっぱりって…」

彩子も同じようにつま先に手を伸ばす。


「お前ら!話してばっかじゃなくて、しっかりストレッチしろっ!」


遠くで体育科の高橋先生が怒鳴ってる。


「ただでさえ暑いのに高橋の顔見てると、ますます暑くなる。」

みっこが嫌な顔をする。


「みっこぉ…」

彩子は泣きそうになりながら
体を伸ばす。


「素直に公表しちゃえば?」

「だけど…」

「変な女も寄って来るよ?ほら。」


みっこは体育館裏を指差す。


圭くんと確か三年の女の先輩が立っていた。
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