イジワル王子に恋して
(何話してるんだろ…)


彩子は高橋の目を盗んで、授業を抜け出す。


角に隠れて、二人の様子を伺った。

「好きなの。ずっと…」

「そう。」


やつぱり告白だ…

しかも
お嫁さんにしたいランキングNo.1だった白石先輩だっしぃ〜…

「悪いけど…」

「彼女…いるの?」

白石先輩は間髪入れずに尋ねる。

「…いないよ。」

圭くんの言葉にドキッとする。

「じゃあ…考えておいて…」

「分かった。」

白石先輩はいい香りがしそうなフワフワの髪を揺らしながら
校舎に戻っていった。


「け…圭くんっっ!」


白石先輩が遠ざかるのを確認して
彩子は影から飛び出した。

「彩。」

「い…今の…」

圭くんはきょとんとする。

「何?」

「彼女いないって…」

「お前がそう言えって、言ったんだろ?」



そうだけど…

本当に否定されたようで
辛かった。


圭くんの後ろ姿を泣きそうになりながら見送った。
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