イジワル王子に恋して
「彩ちゃんと付き合いはじめたんじゃないの?」


なんだよ。
田中のくせに。


「さあな。」

「なんだよ…お前だから諦めたのに。」


田中は教科書をカバンにしまい始める。

「色々、あいつに吹き込んだだろ?」

田中はちょっと
苦笑い。

「あの時はお前が彩ちゃんに本気だって知らなかったからな。」

「…別に今だって、本気じゃねぇし。」


田中はニヤリと笑う。


「ふん。見てれば分かるよ。彩ちゃんにベタ惚れだって。」

「…やけに絡むな。」

「小さな抵抗だよ。彩ちゃん取られたしな。」


ふん…
圭は鼻を鳴らした。

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