イジワル王子に恋して
「田中先輩…」

「みっこちゃんは?」

「シャワーを…」


田中先輩は
彩子の隣に腰掛けた。


「僕も散歩。」

「私も…」

「なんとなくモヤモヤしてて…」

少し
うれしくなる。

沈黙した後、田中先輩が口をひらく。


「彩子ちゃん…さっき、なんで圭に連れてかれたの?」

「さ…さぁ///」

「圭は…彩子ちゃんの事、好きなのかな?」


田中先輩はうつむく彩子の肩を抱き寄せる。

「田中先輩…」

「僕は彩子ちゃんが好きなんだけど。」


驚いて顔をあげた彩子の頬に手を添える。


「彩子ちゃん…」

そして
静かに彩子の唇を塞いだ。
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