恋にきく魔法

芽衣のシット!?

♪~♪~♪
ようやく、昼休みのチャイムが鳴る。
あれから頼斗にはイライラしっぱなし……。

意外に頭が良くて、発表するたび女子の黄色い声がうるさいし、あたしが寝そうになったら耳に息を吹きかけたりして起こす。
……あんたは睡眠いらずな生物なの?
って、本気で思った。

だから昼休みがすっごく嬉しい!
いつものお気に入りスポット、音楽室のバルコニーへと足を急がせた。
なんとなく、今日は1人になりたかった。
……非常階段を通った時だった。
10人くらいの女子がわんさかいて、それぞれ色目を使っては甘えた声を出している。
その輪の中心にいたのは、頼斗……。
楽しそうに話したり、お弁当を分けあっている。
「頼斗くん、料理上手いんだね♪」とか、「あたしのお弁当も食べて~☆」とかいう声が聞こえてくる。
思わず立ち止まって非常階段をみつめてしまっていた。
ふと、顔を上げた頼斗と目が合った。
頼斗は慌てたような顔をする。
あたしはもういいよ、と呟くと、がむしゃらに音楽室へと走った。
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