ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「でもさ、うちのクラスにいるじゃん?王子が♪」
「あー…西藤くん?」
「そうそう、めちゃカッコイイよねー♪」

由紀ちゃんは、サバサバした性格だけど…ジャ○ーズ系のカッコイイ男の子には、目がなかったりする。

「昨日、西藤くんとちょこっとだけ教室で…」
「何っ!何っ!?」

言い終わらないうちに由紀ちゃんが、身を乗り出して聞いてきた。

「いや、黒板消しを手伝ってもらった」
「で、で!?」
「え?」
「どんな感じだったのよ?」
「……背、高かったなって」

由紀ちゃんは、ぷっと吹き出して笑った。

「王子との交流の感想がそれー?」
「だってぇ…」
「まぁ、確かに背は高いよね。180あるんじゃない?」


そんな雑談をしていると、学校に着くのはあっという間。


「そういえば、今日のHR(ホームルーム)席替えだよね!」

席替え…言われるまですっかり忘れていた。

「今日の席替えは王子の隣を狙うぞー!」

川原くんと言う男の子に思われていながら、意気込んでいる由紀ちゃんが何となく可笑しくて、笑った。



そして、王子こと西藤裕也の隣になったのは…


あたしだったりする。
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