ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆

1限のHRは席替えで、くじを引いた後、机を持って移動。

席替えにあまり興味はなかったが、席は1番後ろの窓際でラッキーだと思った。

ふと、隣を見ると…
机が一人で動いてくる!?

いや、よく見るとそれは、昨日手伝ってやった苺とかいう名前の子だった。

「よいしょ」

机を置いたその子は、こっちを向いて、

「西藤くん、よろしく」

と軽く笑って言った。


「昨日はありがとう」

椅子に座った彼女は、一段と小さく見えた。

「いや、別にいいけど…」

椅子…椅子…?

「西藤くん来なかったら、ずっと消せなくて教室いたかも」
「あの…さ」
「ん?」

頭の中に一つの疑問が生まれる。
なんで…

「何で椅子使わなかった?」
「………」

5秒くらいの沈黙の後…

「そっかぁー、西藤くん頭いいねー♪」

手をぽんっと叩いて納得した様子。

「いや…普通、気付くだろ!?」
「気付かなかったんだもん、今度からは椅子使えばいいんだ!」

彼女はとても嬉しそうに言った。

今まで、どうやって黒板消してきたのだろうか…。
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