ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆
掴んだ津田の腕は、相変わらず細い。
力を入れれば、すぐに折れてしまいそうで。
このまま何処かに、連れ去ってしまいたい感覚に襲われる…。
まあ、連れ去っているのだけど。
「えーっと…西藤くん何?」
俺は試合用のコートから、少し離れた場所で足を止め、掴んだ手を離した。
「津田は練習」
体育館の隅に転がったボールを、拾って津田に投げ、
「えっ」
津田はボールをキャッチする。
「今のままじゃ、試合出てもダメだろ?」
「ごめんなさい…」
しゅん…として、俯く。
本当に気にしているのだろう。
みんな楽しくやれたらいい…って感じの奴らだから、出来ないなら出来ないで構わないのだけど…
「少しは出来た方が津田も楽しいじゃん?」
「…うんっ!」
津田は顔を上げて、頷いてくれたことに、少しホッとした。
「じゃあ、ボール貸して」
「はいっ」
ボールが返ってくる。
「じゃあ投げるから、レシーブしてみて」
「う、うん!」
俺がボールを投げると、津田がレシーブした…が、やはり俺の方には来なくて、全く的外れな方向に飛んで行った。
「津田ぁ…」
「あー!ごめんなさいっ!」
津田はボールを追い掛け、走って行く。
やっぱりそうか…。
俺は気付いた。目標と違う位置に飛んで行く理由。
「さっ西藤くんっ、ごめんっ」
息を切らして、津田は戻って来る。
「いいよ。それより津田、肘曲げて打ってる」
「え?」
「だから…こうなってんの」
俺は肘を曲げて、ボールを打つ真似をする。
「…それ、いけないの?」
「津田…今まで体育の授業ちゃんと受けてた?」
「受けてたよっ!」
少し膨れっ面になった津田を見て、笑った。
掴んだ津田の腕は、相変わらず細い。
力を入れれば、すぐに折れてしまいそうで。
このまま何処かに、連れ去ってしまいたい感覚に襲われる…。
まあ、連れ去っているのだけど。
「えーっと…西藤くん何?」
俺は試合用のコートから、少し離れた場所で足を止め、掴んだ手を離した。
「津田は練習」
体育館の隅に転がったボールを、拾って津田に投げ、
「えっ」
津田はボールをキャッチする。
「今のままじゃ、試合出てもダメだろ?」
「ごめんなさい…」
しゅん…として、俯く。
本当に気にしているのだろう。
みんな楽しくやれたらいい…って感じの奴らだから、出来ないなら出来ないで構わないのだけど…
「少しは出来た方が津田も楽しいじゃん?」
「…うんっ!」
津田は顔を上げて、頷いてくれたことに、少しホッとした。
「じゃあ、ボール貸して」
「はいっ」
ボールが返ってくる。
「じゃあ投げるから、レシーブしてみて」
「う、うん!」
俺がボールを投げると、津田がレシーブした…が、やはり俺の方には来なくて、全く的外れな方向に飛んで行った。
「津田ぁ…」
「あー!ごめんなさいっ!」
津田はボールを追い掛け、走って行く。
やっぱりそうか…。
俺は気付いた。目標と違う位置に飛んで行く理由。
「さっ西藤くんっ、ごめんっ」
息を切らして、津田は戻って来る。
「いいよ。それより津田、肘曲げて打ってる」
「え?」
「だから…こうなってんの」
俺は肘を曲げて、ボールを打つ真似をする。
「…それ、いけないの?」
「津田…今まで体育の授業ちゃんと受けてた?」
「受けてたよっ!」
少し膨れっ面になった津田を見て、笑った。