ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「メグちゃん悪い人じゃないよ…」

あたしは小さな声で言った。

「え?」
「メグちゃん、あたしが西藤くんと付き合ってることで色々言われてた時、庇ってくれた…」
「…そうなの?」
「うん」

メグちゃんのおかげで、あれからあたしを悪く言う人は、少なくなった。

メグちゃんも、西藤くんが好きだったはずなのに…。

すごく嬉しかったし、すごく感謝してる…。

「あたしにとってメグちゃんも大切な友達だから、由紀ちゃんには仲良くして欲しい」
「……しょうがないなっ。苺の言葉信じるよ♪」

由紀ちゃんは少し考えた様子だったけど、すぐに笑って席を立った。


「メグちゃんっ」
「ん?どうしたのぉ?」

あたしが声をかけると、メグちゃんは携帯をいじる手を止め、携帯を閉じた。

「あの…よろしく」

あたしの隣に立った由紀ちゃんが、ぶっきらぼうに言う。

「よろしく、由紀ちん♪」

メグちゃんは躊躇いなく笑った。
良かったと、あたしも笑う。

西藤くんとは別のクラスになっちゃったけど、由紀ちゃんとメグちゃんと…クラスのみんなと楽しく過ごせたら…って思った。

こうして、新たな1年が幕を明けたんだ−…。
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