ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

新しい教室…。

今までと、何ら変わらない教室なのに、全く雰囲気が違うのは、新しいクラスメイト達だから。

見慣れた顔も居れば、どこかですれ違って見た顔も居る。

そんな中、あたしは窓際の一番前の席に座っている女の子に、真っ先に駆け寄った。

「おはよう、メグちゃん♪」

無視されたらどうしよう…って、不安はもちろんあったけど、話しかけなきゃ何も分からない。

「あ…苺ちん、おはよぉ♪」

意外にもあっさりと、メグちゃんは返事をしてくれた。

やっぱり…この前のは、気付かなかっただけか。

「また同じクラスだねっ♪」
「うん、メグ苺ちんとまた一緒で嬉しい〜♪♪」

いつも通りのメグちゃんに、ホッとする。

「あ、由紀ちゃんも一緒…」

言いながら振り返ってみるけど、あたしの後ろに由紀ちゃんはいない。

教室を見渡すと、自分の席を見つけて、座ろうとしていた。

そうだった…。

「メグちゃん、ちょっとごめんね!」


「由紀ちゃんっ!」

あたしがちょっとだけ怒った様に言うと、由紀ちゃんは少しびっくりした顔をした。

「何?」
「何じゃないよ!同じクラスになったんだし、いい加減メグちゃんと仲良くしてっ!」
「でもねぇ…」

由紀ちゃんは、メグちゃんの方を見る。

メグちゃんは携帯をいじっていて、こっちには気付かない。
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