ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「え?」
言われたことが聞き取れなくて、聞き返す。
ううん、本当は聞こえたけど…頭が“何かの間違い”って、拒否した。
だけど…間違いじゃないことを、次の瞬間に知る。
「苺ちん、うざい」
「っ……」
胸がドクンッてして、言葉に詰まる。
「苺ちん、すぐ戻るって言ったじゃん?どこ行ってたの?」
「ごめんね…図書室」
「誰と一緒に居た?」
「え−…」
メグちゃんは振り返って、あたしの顔を睨みつけた。
「西藤くん…だよね?」
「……」
「メグ見ちゃったんだ。西藤くんと居るとこ」
「ごめん…」
謝ることしか、出来ない。
「彼氏が出来た途端“裕くん、裕くん”って、うざい」
「え…」
「苺ちん、メグの気持ち考えたことある?メグも西藤くん、好きだったんだよ?」
その言葉を聞いて、あたしの胸はぎゅうって、締め付けられた。
「苺ちんなんか大嫌い」
メグちゃんは、あたしに背を向ける。
「メグちゃんっ!」
「メグ、西藤くん奪うから」
追いかけようとしたのに…
足が動かなかった。