ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

授業中、何気なく携帯を開くと、裕くんからメールが届いていた。

【最近なんかあった?】

あたしは机の中に携帯を隠して、メールを打つ。

【何もないよ?】

嘘つき…。

【今日は昼一緒に食べれる?】

【ごめん、今日もちょっと無理なんだ】

何度、無理って言ってるんだろう…。

【わかった。じゃあ帰りな】

珍しく、裕くんのメールには、絵文字が入っていた。

付き合い出して、知ったこと。
裕くんは心配なとき、絵文字を使う癖がある。

裕くんが心配してくれてる…。

このままじゃダメだ。
メグちゃんと、ちゃんと話しなきゃ。


そして、お昼休憩…。

お弁当を持って、由紀ちゃんの机に移動する。

そこにメグちゃんも来て、裕くんと一緒に食べない日は、3人で食べる。

だけど…この日は違った。

「ごめんっ!わたし今日、部活の集まりがあるんだっ。二人で食べて!」
「え?」
「ホントごめんねっ!」

由紀ちゃんは時間がないのか、慌ただしく立ち上がって、小走りで教室を出て行った。

二人でって…。

あたしとメグちゃんは、その場に残される。

これはメグちゃんと話す、チャンスかもしれない。

「メグちゃん、一緒にお昼…」

あたしは、精一杯の笑顔を作ったけど、メグちゃんは黙って、あたしに背を向けた。
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