ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


「−…」

目を開けたら、見たことのない場所に居た。

ここ…どこ?

「苺」

優しい声がして見ると、裕くんがあたしを見てた。

窓の外からは、男子の賑やかな声。

そっか…ここは学校。

一気に、色んなことを思い出した。

メグちゃんに嫌われたこと…
裕くんを怒らせたこと…

裕くんがメグちゃんと、一緒に居たこと…

そして、由紀ちゃんとメグちゃんを追い掛けて、階段から転倒したこと…。


「大丈夫か?痛い所ない?」
「っ…」

普通の言葉。だけど、あたしの胸は苦しくなった。

心配…してくれるの…?

裕くんに会いたくなかったのに。
フラれちゃうと思ったのに…。

あたしは体を起こす。

「ごめんなさい…」

その言葉が、溢れるみたいに出た。

「俺の方こそごめんな」

優しく頭を撫でられて、胸がきゅっとなる。

「その…何て言うか…ただ、嫉妬したんだ」

“嫉妬”

少しだけ、恥ずかしそうに言った裕くんの言葉。
それが、堪らなく嬉しかった。

裕くんが、嫉妬してくれるなんて…。

「ごめんなさい。でも、翔くんとは何もないから」

言うと、裕くんは静かに微笑んで、頷く。
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