ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「ってかさ、何で外で待ってんの?」
「え…外で待つものじゃないの?」
「いや、外暑かったでしょ」
「大丈夫、日陰に居たし!」
…と、言いつつ津田の額の方は汗が滲んでいるのが分かった。
結構待ってたのか…?
彼女は相変わらずニコニコしている。
健気って言葉はこういう時に使うのかな…と思う。
俺と津田は、窓際の1番隅にある机に腰をかけた。
「英語と、数学だったよね?」
津田はカバンの中を探る。
「またいつかみたいに全く違うもん持って来てるんじゃねーの?」
「ひどいなぁ…ほら、今日はちゃんと♪」
確かに机に広げられたのは、英語の問題集と数学のノートだった。
「2回も同じ事したらただのバカだもんなぁ〜」
「もぅ」
ぷーっと津田は、ほっぺを膨らませた。
「ありがとな。じゃあ写させてもらうよ」
「どうぞ♪」
膨れっ面から、また笑顔に戻る。
「津田は何すんの?」
「あたしは、読書感想文」
こうして勉強会は始まった。