ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
視界の隅に、何か動いているものが見える…。
手を止め、そぉーっと顔をあげると…
津田の頭が、上下左右に揺れていた。
顔を見ると、目はうっすら開いて、閉じてのくり返し。
口は、ほんの少し開いている。
…寝てる!?
「ぷっ!」と俺が吹き出すと、津田はビクッとして起きた。
「え、あの…えとっ……」
津田の顔は、みるみる赤くなっていく。
なんだか可哀相に思えて、俺は「トイレに行ってくる」と席を立った。
あんな顔するとか、よほど眠かったんだろうな…。
なんて思いながら戻ると、津田は作文用紙の上に、腕を枕にして眠り込んでいた。
マジか…?
とりあえず、津田の前の元の席に戻る…
が、起きない。
何かに引き寄せられるかのように…
津田の頬に手を伸ばした…。