ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
あたしが風に当たりに来た先は…屋上。
「さむっ…」
あまりの寒さに、一人でも声を上げてしまう。
屋上は一番風を感じる場所。
寒いけど…
冷たい風に当たりたかった。
風は、心を冷静にしてくれる気がするから。
あたしはフェンスの方へと歩いて、外を見た。
裕くん−…。
話すこともなければ、会わないようにしてるから、顔を見ることもあまりない。
だから、もう忘れかけてるのかと思ってた。
だけど、
名前を聞いただけでダメだね…。
ドキッとして切なくなる…。
思い出したら−…。
カシャンッ
フェンスに頭をぶつけた。
この少し苦しい気持ちを静めて…?
キィ…
しばらくして、重たい扉を開ける音が聞こえた。
だけど、あたしはフェンスから頭を離さず、入ってきた人を見ることが出来ない。
だって…
「苺先輩…?」
声と呼び方で誰か分かって、やっとあたしは、頭を離して振り向いた。
「翔くん」
あたしはニコりと微笑む。
「ごめん、王子様じゃなくて…」
近寄りながら、翔くんは申し訳なさそうに苦笑した。
あたしは黙って、首を横に振る。