ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

藤堂麗奈。

♪苺side♪


夏休みが終わるのは、あっと言う間…。
普通なら「だるい」とか、「めんどくさい」なんて言うのだろうけど、あたしは学校が嬉しかった。

だって、また今日から西藤くんに会えるから。

恋って不思議で、学校が楽しみに感じられる。

それに…

“かわいい”なんて言われたら、期待せずにはいられない。


「苺、おはよー♪ぼーっとしてると転ぶよ?」

いつものように由紀ちゃんが、後ろから肩に手を乗せて挨拶してきた。

「おはよう、由紀ちゃん♪」
「何ー?ご機嫌じゃん♪いい事あったー?」

由紀ちゃんに、図書館での事を話していない。
それは、一人で期待してるみたいで、ちょっと恥ずかしかったから。

「ううん、何でもないよっ」
「そうか、王子に会えるから嬉しいか♪」
「もぉ由紀ちゃんっ!」

あたしは由紀ちゃんの腕を、軽く叩いて笑いながら、また学校が始まった事を実感していた。
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