ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
4月1日。
入学早々、遅刻とか洒落になんねぇ!!
思いながら、ひたすら足を動かす。
真新しい制服は、どこか走りづらい。
家を出た時は寒く感じたが、走っていると暑くてたまらない。
…あと少し!間に合う!!
もう学校へと続く、桜の並木道まで来ていた。
まるで入学を祝うかの様に、満開の桜。
今日から高校生なんだ…。
桜の美しさが感情的にさせて、思わず足を止めてしまいそうになる…
が、止まると遅刻が確定するので、止められない。
あれ…?
前方に人影が見えた。
足を進めるごとに近付いて、人影は大きく、はっきりしてくる。
女子…?
同じ高校の制服を着た、女の子。
桜の花びらが舞い落ちる中で、
ぼーっと桜を見てる。
…遅刻するぞ……?
「…あたしも遅刻っ!!」
ほら…。
突然聞こえた女の子の独り言に、心の中で突っ込みながらも、関係ないと素通りしようとした…その時、
「あー待って!」
呼び止められた。