ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

4月1日。


入学早々、遅刻とか洒落になんねぇ!!

思いながら、ひたすら足を動かす。

真新しい制服は、どこか走りづらい。

家を出た時は寒く感じたが、走っていると暑くてたまらない。


…あと少し!間に合う!!

もう学校へと続く、桜の並木道まで来ていた。

まるで入学を祝うかの様に、満開の桜。

今日から高校生なんだ…。

桜の美しさが感情的にさせて、思わず足を止めてしまいそうになる…

が、止まると遅刻が確定するので、止められない。


あれ…?

前方に人影が見えた。

足を進めるごとに近付いて、人影は大きく、はっきりしてくる。

女子…?

同じ高校の制服を着た、女の子。

桜の花びらが舞い落ちる中で、
ぼーっと桜を見てる。

…遅刻するぞ……?

「…あたしも遅刻っ!!」

ほら…。

突然聞こえた女の子の独り言に、心の中で突っ込みながらも、関係ないと素通りしようとした…その時、

「あー待って!」

呼び止められた。
< 441 / 494 >

この作品をシェア

pagetop